ボーイフレンド♡~友情から恋へ発展していく物語~
第4章 ~中高生時代から大人時代~
ここは・・・何処(どこ)・・・・・・?
目が覚めたとき、サオリは後部座席に眠らされていた。
痛っ! 何、これ? 頭がズキズキする。
それに・・・・・・
両手を後ろにきつく縛られていて痛い。
何、これ?
パニックになっている自分の頭の中を整理する為に一度、深呼吸して辺りを見渡す。
車の窓は半分くらい開けられていて、ここから外の様子が見えた。
誰だかわからないけど、サオリとは面識がない見知らぬ男性が二人…?こっちに背を向けて何か喋っていた。
「奴は来ますかね?」
「こっちには大事な人質がいるんだ。俺たちを馬鹿にしたこと後悔させてやる」
この人たち、リョウちゃんを探していた・・・?
”誰”ってはっきりとは言わなかったけど、サオリは何となくそう確信した。
もしかして、リョウちゃんが記憶喪失になったのも、この人たちと”何か”関係があるの?
そう思っていたとき、後部座席のドアが開いた。
「おい、降りろ」
サオリは、無理やり車から降ろされる。
そして、初めて自分が立っている場所が特定した。
ここは、リョウちゃんが記憶喪失になった原因の崖の上だった。
もう二度とこの場所へは来たくないって思っていたのに。
今ではもう「安全柵」が掛けられてあるけど、それでもまだ足が竦んでしまう程の高さだ。
この時期は、まだ昼間でも流石に寒い。
サオリは、寒さと恐怖で身震いした。
「お嬢ちゃん。あんたには恨みはねぇが、奴を誘き寄せる為に利用させてもらった」
「……」
サオリは、あえて何も応えなかった。
何故なら下手に刺激しない方がいいって思ったから。
すると、彼はすぐに怖い表情に変わり、でもそれはサオリに向けられたものではなかった。
「あの野郎・・・ オレたちをさんざん馬鹿にしやがって・・・」
相当、腹が立ってるみたいだった。
リョウちゃん! この人たちに何したの!?