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ボーイフレンド♡~友情から恋へ発展していく物語~

第4章 ~中高生時代から大人時代~

その時、何度も自分を呼ぶ声がした。

走馬灯・・・?
ここにいるはずのないリョウちゃんの声が聞こえる。
もうすぐ死ぬ直前だから・・・?

だけど、その声は次第に大きくはっきりと耳に届いた。

「サオリちゃ〜ん!!」


やっぱりリョウちゃんの声だ!
リョウちゃんが助けに来てくれた!!

数時間前に別れたばかりなのに、もう何日も会ってないような気がする懐かしい声…


「ようやく来たようだな」

男はそう言うと、すぐにサオリを引き戻した。

「この子を離せ!」

リョウちゃんは、もの凄く息が上がっていた。

「てめぇ、よくも俺たちを小馬鹿にしてくれたなぁ(怒
この高さから落ちて、生きていたとは運がいい奴だ」

「あんた達、誰だ」

リョウちゃんは、男たちには「全く身に覚えがない」っていう様子を見せた。その反応に、男たちを余計に苛つかせてしまったらしい。

「まさか、『忘れた』とか言うわけじゃないだろう?」

「ピンポーン!あんた達のこと、全然覚えてないや。
それにオレ、崖から落っこちた衝撃で”記憶喪失”になっちゃったらしいから」

リョウちゃんは、躊躇《ちゅうちょ》することなく男たちに暴言を吐いた。そのあともリョウちゃんは、”挑発”する言葉をいっぱい言い放った。


サオリは、突然思い出した!

確か、中学の頃もこんなことあったっけ。
正義感が強すぎるリョウちゃんは、見て見ぬフリが出来ない。
今度も、誰かを助けるために危険な目にあったんだ。
高校生になってもう直ったと思っていたのに。
お願いだから、もうこれ以上相手を挑発するのはやめてよ!


「アニキ、あいつ完全に俺たちをなめてますぜ」

「あの野郎・・・(怒」


次の瞬間、男が物凄い勢いでサオリの背中を押した。
リョウちゃんが、咄嗟に身体で受け止めてくれた。

「サオリちゃん、大丈夫だった?」

「ふぇえ~ん!リョウちゃん、怖かったよぉ~・・・(泣」

サオリは、リョウちゃんの胸にすがって、激しく嗚咽した。

「遅くなってごめん。いろいろ探し周ってたから」

リョウちゃんは、サオリの腕を縛っていたロープを解きながら言った。



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