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ボーイフレンド♡~友情から恋へ発展していく物語~

第4章 ~中高生時代から大人時代~

いろいろ探し周ってくれていたんだぁ

リョウちゃんは、サオリのこと見捨ててなんていなかった。ほんのちょっとでも、リョウちゃんを疑った自分が恥ずかしかった。

じわりと胸の奥が熱くなって感動に浸っていた時‥
また再びピンチに立たされた。

男が、上着のポケットからカッターナイフを取り出した。
その瞬間、リョウちゃんの顔つきが険しくなった。

「サオリちゃん。ちょっと・・・いや、かなりヤバい・・・かも」

「え?」

「サオリちゃん、オレが奴を引き付けるからサオリちゃんだけでも逃げて」

リョウちゃんは、決死の覚悟でサオリに言った。

嫌(や)だ・・・

今リョウちゃんと離れたら、もう二度と会えなくなるような気がした。

「嫌(や)だ。リョウちゃんが、死んじゃうよぉ」

「言っただろ?”サオリちゃんを置いて死ねない”って」

――・・あの時、
泣きじゃくる私をリョウちゃんは、優しく慰めてくれた・・―――

サオリとリョウちゃんは、崖の端まで追い詰められた。

「さぁ、二人仲良く死んでもらおうか」

男がゆっくりと近づいてきたとき‥――

「サオリちゃん。走れる?」

リョウちゃんの問いかけに「うん」って頷くと、

「オレが合図したら、サオリちゃん。あっちへ走って」

リョウちゃんが、男に気付かれないように視線を向けた。

「大人しくなったな。さっきまでの威勢はどうした?」

男は、リョウちゃんがすっかり観念したと思い込んでいる様子を見せた。
リョウちゃんは、一歩後ろへ下がると、地面に落ちていた小石を男に目掛けて蹴った。

え?
今、何が起こったの?

「よしっ、今だ! サオリちゃん、走って!」

男が一瞬だけ目を逸らした時、リョウちゃんの鋭い声。
その声に反応して、サオリは走り出していた。

もう少し・・
あともう少しで大通りに出られる・・・・・・

そう思った時、パトカーの警音が鳴り響いてきた。



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