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ボーイフレンド♡~友情から恋へ発展していく物語~

第4章 ~中高生時代から大人時代~

やがて、その音はだんだん大きくなり‥――
こっちへ近づいて来る・・・?
そして、私たちの目の前に止まったかと思ったら、あっという間に男たち二人を逮捕した。

助かったんだ‥‥

その後(あと)を追うようにしてもう一台の車が停まった。車の中からユウコ、執事のコバヤシさん、トオルくんが降りてきた。そして、お姉ちゃんとお母さんも‥‥

みんなサオリのこと心配して来てくれたんだぁ

みんなの顔を見てホッとしたら、涙が溢れてきた。

「リョウちゃんがね、助けてくれたんだぁ」

もう二度と、家族や友達に会えないかと思ってた。

「リョウちゃんに、ちゃんとお礼を言わなきゃね」

優しい母の声に何だかとてもホッとした。

その後(あと)、警察の人が来て私たちに事情徴収をし始めた。ユウコは、リョウちゃんが真っ先にサオリを助けに行ったことを話していた。

「あんたは、何も出来なかったもんね」

トオルくんは、バツが悪い顔をして黙っていた。

「さっきまで”君”と一緒にいた少年は?」

警察の人が、リョウちゃんを探していた。
そういえば、今までずっと傍にいたリョウちゃんがいつの間にかいなくなってた。

「リョウちゃんは、もう夜遅いからお家(うち)へ帰ったのよ」

12月の冬空は、もうすっかり暗くなっていた。
警察の人は、リョウちゃんにも話を聞くつもりだったらしいけど、本人がいないので、「また後日」ということにして、住所だけ問うと帰って行った。

あ お父さん…?

見覚えのある白い車・・
やっぱりお父さんだ。

普段は無口であまり喋らないけど、サオリのことを心配して、仕事を早退して駆けつけてきたらしい。

その日は、家族4人でお家(うち)へ帰った。

リョウちゃんには、冬休み中にちゃんとお礼を言おう。
そう決意していた。
でも、その願いは叶わなかった‥―――



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