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take a breather

第23章 証

〈智サイド〉

はぁ…絵莉のヤツ、余計な事を言いやがって…

絵莉が来るまでに時間がなかったから、翔に絵莉の事ちゃんと話せなかった

絵莉に違う好きな人が出来てる可能性も期待していたが
キスを強請られた時点で、それはないとわかった…

あ〜…それにしても翔のやつ、落ち込んでるなぁ…

こんなの子供の戯言だとわかっているだろうけど

子供の言葉ってある意味容赦ないからなぁ…

思った事をそのまま言っちゃうっていうの?

絵莉の口から次々と出る言葉は、翔に取っては耳の痛い話しだよな、きっと…

同居をしている件にしても、ブルーを引き取った件にしても
そして、結婚の件にしても…

男同士の俺たちじゃ
どんなに結婚を望んでも、今の時点では難しい

それは今までに何度も話して来たし、お互い納得している事だけど

頭の中ではわかっていても
心の中では、やはり引っかかる部分…なんだろうな

「翔」

「あ、はい…」

名前を呼ぶと、ハッとしたように顔を上げた

「朝メシまだじゃん、何か軽く食おう?」

「あ…そうですね」

「絵莉、お前は?朝メシ食った?」

「家で食べて来た」

「そっか。なら、何か飲み物入れてくるから待ってて」

「うん」

素直にソファーに向かう絵莉
この辺の行動は小学生なんだよなぁ…

ブルーのことを床に置き、キッチンへ向かった翔の後を追った

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