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take a breather

第25章 P・A・R・A・D・O・X

「クラスの準備はどう?進んでる?」

「はい、後は明日の放課後飾り付けるくらいです」

「それなら、今日の放課後、展示手伝って貰っても大丈夫かな?」

「大丈夫ですけど、今日やるんですか?」

「うん、明日は美術室使うクラスないから
今日のうちにやっちゃおうと思って
だから絵も今日運んで貰ったんだ」

前と同じように、大野先生と普通に話せてる事に嬉しくなる

「運んで貰うの頼むくらい、二宮先生と仲良かったんですね
それに相葉さんが二宮先生とも関係してたなんて知らなかった」

「相葉ちゃんは、俺の高校からの友人なんだ
ちょっと変わり者だった俺にも話し掛けてくれて
今でも付き合いが続いてる、唯一の高校時代からの友達
で、この学校は俺と相葉ちゃんの母校」

「えっ!大野先生、この学校の卒業生だったんですか?」

「ふふっ…そう
この学校に赴任した事を話したら、相葉ちゃんが懐かしんでさ
『だったら学祭に来たら』って何年か前に誘ったんだよ
その時に二宮先生と知り合ったんだ」

「学祭で知り合って、今は友人って事ですか?
余程、気が合ったんですね」

「ん?最初はそうでもなかったよ?
相葉ちゃんの粘り勝ちってやつかな」

「はぁ…粘り勝ち…」

そんなに二宮先生と友達になりたかったんだ…

大野先生といい二宮先生といい
相葉さんはちょっと変わった人と友達になりたいのか?

それとも相葉さん自身が変わってる人?

その疑問を口に出して
万が一にでも二宮先生の耳に届いたら、ちょっと怖い気がしたから
自分の胸の中だけに留めておく事にした

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