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take a breather

第1章 Now or Never

「じゃあさ、4人で26日にお祝いしようか」

「うん、そうしよ。それでいい?翔ちゃん?」

「俺はいいけど…智くん、バイト大丈夫?ふたり勝手に話進めちゃってるけど」

「25日って金曜日でしょ?
金曜は午後に講義がないから、昼間本屋のバイトだけなんだ。土曜はバイトないし。
だから大丈夫だよ?翔くん、どこか行きたいとこある?」

そう聞くと、翔くんは少し恥ずかしそうに微笑んだ。

「あのね…智くんの家に行ってみたい…」

「え?家でいいの?
どこか外でデートした方がよくない?」

「ううん、智くんの家がいい。
でね、智くんの手料理が食べたいな。
料理するって言ってたよね?」

「うん。俺が作る料理なんかでいいなら、いくらでもご馳走するけど」

「やったぁ!楽しみにしてる」

そんな喜ばれるとこっちも嬉しい。
期待を裏切らないように頑張らないとな。

「ほぉ~、翔ちゃん積極的」

「だねだね」

ニヤニヤしてるカズくんと雅紀。

「なっ、なんだよっ!」

隣の翔くんを見ると顔を紅く染めていた。

「いやね、金曜日の夜に恋人の家に行きたい、なんてさ」

「お泊まりコース?」

「べっ、べつにっ!そんなつもりじゃないしっ!
勝手に決めるなよっ」

「あ、そうなんだ。
大野さん、残念だったね。 
翔ちゃんお泊まりは嫌なんだって」

相変わらずのニヤニヤ。
カズくん…翔くんのことからかって楽しんでるだろ。

「あっ、いや、だからっ、それはっ…違くって。
俺は良くても、智くんの都合があるから…」

シドロモドロの可愛い翔くんをもう少し見ていたいけどね、折角のチャンスを逃したくないから…

「翔くん、よかったら家に泊まる?」

「え、いいの?」

「もちろんっ」

「うんっ!なら泊まる」

瞳をキラキラ輝かせる翔くんはまるで子供のようだ。

「よかったね、翔ちゃん」

満面の笑みの翔くんを見てカズくんも雅紀も嬉しそう。

もちろん俺もね。

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