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雪原に咲く椿

第1章 邂逅ーツナガリー

月白隊長は早々に立ち去っていった。最後にひとつだけ、忠告を残して。



“あの森は騎士でさえも立ち入ることを許されていない聖域だ、絶対行かないこと。いいね?”



そんなことは知っている。王族が厳しく管理しており、ごく一部の者しか入ることを許されていないことも。特に王族は女神に心酔しているようで、稀に女神の存在を否定する者は即刻投獄されるらしいが。それを恐れ、ついには誰も否定する者はいなくなった。



このまま真っ直ぐ進めば目的地の図書館がある。しかしーーこの手の中には、花びら。



「……行かないと」



見えない何かが、突き動かす。




衝動的かもしれない。それでも、行かなければならないような気がした。



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