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北アルプスの少女と廃寺

第3章 サクラが立った!

「きみ!大丈夫かい?ふらふらじゃないか」


「はっ
…良かった。
あなたは廃人じゃないみたいですね」


「え?廃人?」


「実は今、私の住んでいる町では、どこからともなく現れた廃人たちが大暴れしているのです。
町のみんなは必死に抵抗しました。しかし、彼らの一週間ほど放置した魚のような体臭や、皮脂の汚れで黄ばんだ衣服、毒霧のような口臭になすすべもなく…
私の父と母も彼らの意味不明なひとりごとに精神を病んでしまい床に伏せって…ううっ
彼らは人類の脅威です!
私はどうにか逃れてきたのですが、足の関節の軟骨がすり減ってしまいました…」


「そうか、大変な思いをしたんだね。でも、ここまでくれば大丈夫だよ」


「ありがとうございます。
申し遅れました。
私の名前はサクラ
サクラ・イェーガーです」


「僕は柳」

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