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奈穂「じゃあ、私からもいい？」

宏樹「何？」

奈穂「奥さんの事は聞かない、言わない
から、それ以外の事は出来るだけ話して
欲しいの」

宏樹「それ以外って例えば？」

奈穂「仕事とか友達の事、今悩んでる事
とか色々、普通の恋人みたいに話したい
の、ダメかな？」

宏樹「…」


本当は手を繋いだりデートしたりしたい
だけどそんな事、出来るわけもなく
ならせめて二人の時くらい
恋人らしく…


奈穂「…」

宏樹「わかった、いいよ」

奈穂「本当に？」

宏樹「その代わり、奈穂さんも話してよ
僕も奈穂さんの事もっとよく知りたいか
ら、いいよね？」

奈穂「うん、あ、でもお客様の個人情報
とかは…」

宏樹「わかってる、それは僕も同じだし
お互い、話せる範囲で、ねっ」

奈穂「うんっ」

宏樹「…」

奈穂「何、どうかした？」

宏樹「もう少し、一緒にいようか」

奈穂「うんっ！！」

宏樹「…」


別れるのが惜しくてまだ別れたくなくて
二人は何度もキスをし抱き合った
別れる時間ギリギリまで
何度も…