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目的のものを調達して帰ってくると、笑ってしまうような典型的なナンパをされているヒカリが、困った顔をして出迎えてくれた。

「悪いが西園寺ヒカリはオレのパートナーだ」

「彼女の連れか？」

「はは、彼女か。何も知らないんだな」

思わず鼻で笑ってしまう。
まぁ確かにこの衣装だし、女性に見えてしまうのも頷ける。が。

「この衣装がどんなものか、何故この場で着ているか、そんな事も知らずに会場にいるのか」

「何が言いたい？」

何が言いたいときた。

この学校の講師は各業界のトップクラスを常に走り続けるような天才達の集まりだ。卒業生達は、これからを牽引していく存在になりうる金の卵。
この学校のことをリサーチ済みなら、ヒカリの事を知らないはずも、この衣装を知らないはずもない。

安っぽいナンパなんかじゃなくて、本気の駆け引きや人脈作り。チャンスが欲しいなら大事なのはそちらだ。

この場を生かす事をしないのは、もったいなさすぎる。

どこの誰だか知らんが……今いる業界で生き抜くつもりはないんだな。