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どすけべカメラマンに犯されています!

第3章 ヒカリはオレにどうして欲しい?

なおもにやにやしている様子に呆れてくる。

どうしたら崩すことが出来るのか。

僕ばっかり赤くなったり青くなったりしているのはどう考えても不公平だ。


そして。
やりかえしてみようか、と……ふと思った。

茶色みがかった瞳を見つめる。

太陽の光の影響で、さらにいつもより色素が薄く見えた。

僕を綺麗だ綺麗だと言うけれど、由奈も十分整っている。一つ一つのパーツは派手ではないけれど、バランスが異様に良いから余計にそう見えるのかもしれない。

後、謎の色気。
どう表現したら良いか分からないけれど……。
色っぽい人は他にもいる。
でも、由奈のそれは何だか異質。
気づいてしまった瞬間、忘れられなくなるような……。

自覚はあまり無いようだけれど。

「ん?何だ」

「…………」

繋いだ手とは反対の手を由奈の頬に添える。
少し背伸びをしてその憎らしいほどに余裕のある口元にちゅ、とキスをした。

「ふふ、仕返しですよ」

「………………っ?!?!」

少し間を置いて、見たこともないような表情をする。

「あなたばっかり僕に意地悪するからです」

とんでも間抜けな顔を見て、何だか最高にいい気分になった。

こんなに面白い顔が見れるなら、たまに不意をついてしてみようか。

唯一やらかしてしまったかなと後悔したのは、まだお店の前に居たこと。

きゃあきゃあ黄色い声が聞こえる。
由奈に恋をする女性は多い。
でも、他の誰でもなくキスをしたのは僕。

……それが、僕だけのものになったようで、何だか気持ちが良かった。

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