まだ見ぬ世界へ
第8章 幸福論【再会】
スマホを弄りながら待ち人の到着を待つ。
薬は飲んできたけど……
一人で外に出るのはやっぱり不安だ。
数パーセントしかいないα性に会う確率なんて微々たるものだけど、もし万が一会ったらって考えると恐怖しか浮かばない。
「和也さま、お待たせして申し訳ございません」
俺の姿を見つけた三田園さんが慌てて走ってくる。
「ううん、今来たところだから大丈……」
「どうか……されましたか?」
「いや、いつもと雰囲気が違うからさ」
何度か三田園さんと出かけたことがあった。
昔はもっとカジュアルな服装だった気がするけど、今日のイカツイ感じのファッションにちょっと驚いた。
「和也さまに何かあっては困りますので……少々インパクトのあるファッションにさせていただきました。お帰りまでお見苦しい点があるやもしれませんがお許しください」
「頭を上げて。こちらこそゴメンね。色々と気を遣わせちゃって」
深々と頭を下げるけど、三田園さんが謝ることはなにもない。
寧ろ俺のワガママで色々と気を遣わせてしまって申し訳けない。
「ごめんね。でも……ありがとう」
「お礼をいうのはわたくしの方です」
「えっ?」
「正直申し上げますと……またこんな日が来るとは思ってもいなかったので」
「俺も…だよ」
以前は1年に1回、この時期に三田園さんと買い物に出かけていた。
あの出来事があるまでは……
でもマッチングシステムが俺にまたその機会をくれた。
だって……もうすぐ会えるから。
「昔よりも予算はあるから、いっぱい買おうと思うんだ。だから三田園さん、色々と教えてね」
「はい、かしこまりました」
自分のことの様に笑ってくれる三田園さんに俺も自然と笑顔になった。
薬は飲んできたけど……
一人で外に出るのはやっぱり不安だ。
数パーセントしかいないα性に会う確率なんて微々たるものだけど、もし万が一会ったらって考えると恐怖しか浮かばない。
「和也さま、お待たせして申し訳ございません」
俺の姿を見つけた三田園さんが慌てて走ってくる。
「ううん、今来たところだから大丈……」
「どうか……されましたか?」
「いや、いつもと雰囲気が違うからさ」
何度か三田園さんと出かけたことがあった。
昔はもっとカジュアルな服装だった気がするけど、今日のイカツイ感じのファッションにちょっと驚いた。
「和也さまに何かあっては困りますので……少々インパクトのあるファッションにさせていただきました。お帰りまでお見苦しい点があるやもしれませんがお許しください」
「頭を上げて。こちらこそゴメンね。色々と気を遣わせちゃって」
深々と頭を下げるけど、三田園さんが謝ることはなにもない。
寧ろ俺のワガママで色々と気を遣わせてしまって申し訳けない。
「ごめんね。でも……ありがとう」
「お礼をいうのはわたくしの方です」
「えっ?」
「正直申し上げますと……またこんな日が来るとは思ってもいなかったので」
「俺も…だよ」
以前は1年に1回、この時期に三田園さんと買い物に出かけていた。
あの出来事があるまでは……
でもマッチングシステムが俺にまたその機会をくれた。
だって……もうすぐ会えるから。
「昔よりも予算はあるから、いっぱい買おうと思うんだ。だから三田園さん、色々と教えてね」
「はい、かしこまりました」
自分のことの様に笑ってくれる三田園さんに俺も自然と笑顔になった。