まだ見ぬ世界へ
第9章 幸福論【初対面①】
「和也、24日は空いているか?」
みんなでご飯を食べていると、珍しく父さんが俺の予定を確認してきた。
「うん、今のところは予定ないよ」
仕事もほぼ完了しているし、急ぎの仕事も年末だから入らないだろう。
そして何より相手がいてこそ盛り上がる日に、俺に予定などあるはずがない。
「じゃあ、相葉くんに会ってこい」
「えっ?」
「…は?」
俺の驚く声と、兄さんの間の抜けた返事が重なった。
「ちょっと待って。なんで父さんが決めるの?」
そして間髪入れずに兄さんは父さんに質問を投げかける。
あっ、そっか。
兄さんは知らないんだ。
「相葉くんは俺の部下だからな」
「いや、それはわかってるけど……」
「とにかくこれは決定事項だ」
勝手に話が進んでいく中で相葉さんがなぜ父さんの部下だって兄さんが知っているのか、なぜこの日じゃないと駄目なのかは疑問は残るけど、有無を言わせないような雰囲気だった。
「でも相葉さんは大丈夫なの?」
日が日だけに、相葉さんにだって予定があるかもしれない。
でも俺と会うって事は……恋人はいないか。
ってか、そもそも相葉さんの顔も知らない。
「あぁ、それは問題ない。当日については決まり次第、三田園に伝えておくから」
「あ、うん…わかった」
「ちょっと勝手に話を進めないで、俺にもちゃんと説明してくれよ」
「あら、気になるの?」
「気になるというか……心配になるだろ、普通!」
「ふふっ、心配…ねぇ」
なぜかムキになる兄さんと、なぜかその様子を見て嬉しそうな母さん。
「ちょっと兄さん、落ち着い……」
「兄さんじゃない、さ・と・し!」
「さ…さと…し」
言い直した俺を見て、フンと鼻を鳴らした。
癖?じゃないけど、染みついた『兄さん』呼びは簡単に抜けない。
兄さんは再会した日から『かず』って呼び始めた。
少しずつ、周りが変わっていく。
相葉さんと会う事で、また何かが変わっていくのかな?
みんなでご飯を食べていると、珍しく父さんが俺の予定を確認してきた。
「うん、今のところは予定ないよ」
仕事もほぼ完了しているし、急ぎの仕事も年末だから入らないだろう。
そして何より相手がいてこそ盛り上がる日に、俺に予定などあるはずがない。
「じゃあ、相葉くんに会ってこい」
「えっ?」
「…は?」
俺の驚く声と、兄さんの間の抜けた返事が重なった。
「ちょっと待って。なんで父さんが決めるの?」
そして間髪入れずに兄さんは父さんに質問を投げかける。
あっ、そっか。
兄さんは知らないんだ。
「相葉くんは俺の部下だからな」
「いや、それはわかってるけど……」
「とにかくこれは決定事項だ」
勝手に話が進んでいく中で相葉さんがなぜ父さんの部下だって兄さんが知っているのか、なぜこの日じゃないと駄目なのかは疑問は残るけど、有無を言わせないような雰囲気だった。
「でも相葉さんは大丈夫なの?」
日が日だけに、相葉さんにだって予定があるかもしれない。
でも俺と会うって事は……恋人はいないか。
ってか、そもそも相葉さんの顔も知らない。
「あぁ、それは問題ない。当日については決まり次第、三田園に伝えておくから」
「あ、うん…わかった」
「ちょっと勝手に話を進めないで、俺にもちゃんと説明してくれよ」
「あら、気になるの?」
「気になるというか……心配になるだろ、普通!」
「ふふっ、心配…ねぇ」
なぜかムキになる兄さんと、なぜかその様子を見て嬉しそうな母さん。
「ちょっと兄さん、落ち着い……」
「兄さんじゃない、さ・と・し!」
「さ…さと…し」
言い直した俺を見て、フンと鼻を鳴らした。
癖?じゃないけど、染みついた『兄さん』呼びは簡単に抜けない。
兄さんは再会した日から『かず』って呼び始めた。
少しずつ、周りが変わっていく。
相葉さんと会う事で、また何かが変わっていくのかな?