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まだ見ぬ世界へ

第11章 アイツは可愛い年下の男の子

あー、マジで痛い。


腰をトントンと叩きながら楽屋へ向かう。

身体の怠さと腰の痛み、そしてアソコの違和感。


あの日の潤くんの気持ちが良くわかる。


『おはよ、ニノ……って、大丈夫?』

潤くんが優しく腰を擦ってくれた。


ホント、この気持ちを理解できるのは潤くんだけですよ。


「大丈夫に見えますか?潤くんを救ってあげた代償は大きかったですよ」

『ゴメンゴメン。ちゃんと借りは返すから。でも良かった』

「はい?この状況の何がいいと?」

『そりゃさ、身体は悲鳴をあげるけどさ……気持ち的な事』

包み隠さず、幸せそうに笑う潤くん。

「そうですね……ひとつだけ言えるとしたら、潤くんより幸せですよ」

『俺の方が幸せだっつーの』

俺らは互いに幸せを噛みしめる様に笑い合った。


こんな風に惚気と言える様なことを話す相手はいなかった。

なにより俺たちが付き合っている事を誰かに伝える事はないって思ってた。


付き合っている智と雅紀に対してだって、2人を好きな俺の事を受け入れてもらえてるのかなって不安だったのに、それを他の人になんて伝えられるはずがない。

それがたとえ、メンバーだったとしても。


でも一筋の光が見えた。

翔さんと潤くんが付き合ってるって聞いて、もしかしたら俺らの関係も受け入れてくれるんじゃないかって。


「ありがと、潤くん」

『どういたしまして。あとで楽屋でマッサージしてやるよ、これで』

大きなカバンからドリルマッサージ器をチラリと見せた。

「それ、煩いですから」

『でも超効くぞ』

「経験者が言うなら間違いないですね」

ニヤっと笑って見せると、顔を少し赤くした。


『いや、潤の方が可愛い』

楽屋にいる翔くんの声が漏れ聞こえる。

『絶対にカズの方が可愛い』
『そうだ、カズの方が可愛いに決まってる』

そして智と雅紀の声も漏れ聞こえる。


俺と潤くんは目を合わせて笑った。


俺ら……幸せだって。


『潤のエロさはハンパねーぞ』


ヤバいよ、翔ちゃん。

俺、怖くて潤くん見れないよ。


『カズだって、超絶エロい』
『そうだそうだ。激エロだそ』


潤くん、こっちもだわ。


ガチャ…


『しょおぉぉぉぉぉぉ!』

「さとしぃぃぃ、まさきぃぃぃ!」

『『『ごめんなさぁぁぁい』』』


【end】

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