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まだ見ぬ世界へ

第12章 愛を叫べ

大「だってさ……いつも和也、寂しそうな顔してるんだもん」

「えっ?」

松「そうそう。俺らが気つかないとでも思った?」


自分の中ではバレてないって思ってた。

誰かの家に泊まって過ごした時は『帰りたくないな』って思うし、逆に俺の家に泊まって過ごしてくれた時は『帰って欲しくないな』って思う。

このまま過ごせたらって考える事もあるけど、これ以上のワガママなんて言えない。

誰か1人を選ぶことを出来なかった俺を受け入れてくれた4人にこれ以上、何かを望むなんて虫が良すぎる。


相「それに俺らも一緒に和也と過ごしたいんだもん……ダメ?」

俺は全力で首を横に振った。


だって、嬉しい。

ホントはめちゃくちゃ嬉しいんだもん。


櫻「あはっ、そんな全力で否定しなくていいよ」

首を動きを止める様に翔がクシャっと頭を撫でてくれた。

潤「まぁ、俺らのセカンドハウスって事で……必要なものは追々、買っていけばいいよ」

「うん、そうだね」


そっか。

今すぐにってのは難しいよね。


相「あ、もうこんな時間!早く帰んないと、注文してたヤツが届いちゃうよ」

櫻「ホントだ、ヤベぇ!和也、早く帰る準備して」

グイグイと背中を押される。

「えっ?」

松「俺らの家に帰って、お祝いするに決まってんだろ」

「だって、まだ必要なものがって……」

大「最低限の物は揃ってるから大丈夫。もちろん絶対に必要なベットもね」

「な…っ!」

耳元で智に囁かれ、顔が熱くなると同時にピクっと身体が震えた。

相「今日は俺だからね」

櫻「いいや、俺だね」

松「いや、俺でしょ?」

大「いやいや、俺だって」

早く帰らないといけないはずなのに小競り合いが始まった。


その要因が俺だってのは……恥ずかしいけど嬉しい。


「とりあえず、早く帰ろ?俺らの……家に」






「え、いや……ちょっと待って!」

大「今日はお祝いって事で」

櫻「俺らで可愛がってあげる」

相「寝かせないからね?」

松「覚悟しろよ」


明日休みで……良かった。


【end】


あとがきはまた後日、アップします!

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