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まだ見ぬ世界へ

第12章 愛を叫べ

じゃあ一体、これは誰の鍵?

ってか、普通に知らない鍵がついてるとか怖いんだけど。


櫻「それは、和也の分の鍵だから」

「俺の……分?」

相「そう。だって俺らも同じ鍵、持ってるんだから!」

ポケットからキーリングを取り出すと、ついている鍵のひとつを俺に見せてくれた。

「あ、ホントだ」

確かに俺と同じ形の鍵だ。

松「それがメインの誕生日プレゼントってわけ」

得意気な潤を見て、よっぽどすごいプレゼントなんだなって思った。

「でもこれって……何の鍵?」

大「あー、それは家の鍵」

「ふーん、家の鍵かぁ……えっ!は?い、家の鍵?」

さらりと智が言ってのけるから一瞬、すんなりと受け入れてしまった。

「今、家って……言ったよね?」

櫻「そう、家」


いやいや、待って。

普通に答えてるけど、家だよ?

ホストへの超高額プレゼントとかでしか、聞いたことないよ。


相「俺らさ、ずっと和也と過ごしたいって思ってさ。で、どうしたらいいかって考えたら……みんなで過ごす家があればいいんだってなったんだ」

いいアイデアでしょ?と言わんばかりに雅紀がニカッと嬉しそう笑うから、俺はどう応えていいのかわからない。

松「まぁ、1人2500万円なら安いもんだよ」

「にっ、2500万円!!!!」

ビックリしてキーケースを落としそうになった。


一億の家の鍵、絶対に落とせないよ。


櫻「ははっ、冗談冗談。さすがにそれは無理だから賃貸。まぁ、購入するくらいならそれくらいって事」


あの……冗談に聞こえないんです。

みんな稼いでるから、それくらい簡単に出しそう。

相「もちろんこれは和也へのプレゼントだから、家賃は俺らが払うよ」

「いや、ちょっと待って。え?ホントに家を借りたの?」

トントン拍子に話が進んでいくけど、俺の思考が全く追いつかない。


これってつまり……

みんなで一緒に暮らすって事だよね?

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