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まだ見ぬ世界へ

第13章 正義のミカタ

『良かったなぁ』

「うん!」

ぼくはお父さんをみてわらった。


うれしいな。

うれしいな。


ぼくは手にもっているふくろをみた。


ここにはきょうはつばいのゲーム。


ずごーくにんきがあって、ちゅうせんであたった人だけがかえたんだ。

きのうからたのしみでねれらなかった。

でもはやくもらいに行きたかったから、はやおきした。


『家帰ったら、寝るか?』

「いやだよ!ゲームするもん」

『はははっ、わかったわかった。じゃあ、お菓子とジュース買って帰るか』

『うん!ぼく、コーラ』

うれしくてどんどんあるくスピードがはやくなる。


ドンッ…


「いったぁーい」

うしろからだれかがおもいっきりぶつかってきて、ぼくはころんでしまった。

『大丈夫か?』

「うん、だい……」

おきあがろうと手に力をいれた。


あれ?

ぼくのゲーム……


「ゲーム!ぼくのゲームがない!」

キョロキョロとまわりをみたけど、どこにもおちてない。


どこ?

どこ?

ぼくのゲーム、どこのあるの?


「あ!ぼくのゲーム!」

すこしまえをあるくお兄さんをゆびさすと、こっちを見た。

『え?ひったくりか?おい、待て!』

お父さんのこえをきいて、お兄さんがにげた。

『ドロボー!ドロボー!』

お父さんはいっしょうけんめい走ってるけど、ドロボーはどんどん小さくなっていく。


『とまれ!』


とつぜん、おとこのこがドロボーの前に出てきて手を広げた。


『どけぇぇぇぇぇ!』


つぎに男の人が出てきてドロボーをなげとばすと、うごかなくなったドロボー。

ぼくはたちあがって、はしった。



ぼくのゲーム……ぼくのげーむは?



ドロボーのてにはかみぶくろはない。


なんで?

なんでもってないの?


『ん、これ』

ぼくのまえにに男の子がきて、ふくろをわたしてきた。

「あ!ぼくのゲーム!」

『ちゃんともってろよ』

「うん、ありがとう」

ぼくより小さいのにドロボーにたちむかった男の子。


めちゃくちゃ、かっこいい!


「ヒーローみたいだね」

『へへっ、またなんかあったらまもってやるよ!』

うれしそうに男の子はわらった。

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