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まだ見ぬ世界へ

第16章 決戦は山の日

今日はVS嵐の収録。

楽屋ではいつもの定位置に座るメンバー。


松潤はコンサートに向けて、
パソコンで過去の映像を確認中。

ニノはテーブルにスマホを固定し、
もの凄い速さでペンを動かしゲーム中。

相葉さんはニノから貰った漫画を、
ニヤニヤ笑いながら熟読中。

翔ちゃんは新聞を読んでいるけど……
いつもと違うのは頭に記事が入ってない。


って、とこだろうな。


ゆっくりと閉じていた瞼を開けると、
予想通りの光景が広がっていた。

「ふぁ~」

うーんと伸びをしていると、
ジッと俺を見つめる翔ちゃんと目が合う。


大きい黒目が小刻みに揺れ、
不安が思いっきり表れてますけど?

あんな大舞台で司会とかしてるのに、
こういう時はノミのような心臓なんだから……


コンコン…


ノックする音にビクッと
身体が震える翔ちゃん。


ホント、大丈夫かな……


「おはようございます」

ADさんが入ってきた。

「オープニングの打ち合わせ、いいですか?」


俺たちの計画……スタート。


「今日のオープニングトークなんですが、
山の日が近いので登山などの山にちなんだ
トーク展開でお願いします」

「はーい」

「って、返事してるけど
おじさん山なんて登ったことあるの?」

俺の返事にやっぱりニノがツッコむ。


それそれ、待ってました!

ホント、ツッコミを忘れないのは流石だよ。


「山ねぇ……」

翔ちゃんが口元を押さえながら、
エピソードを考える……フリをしている。


頬が緩んでいるから気を付けてよ……


「もし難しいのであれば……
大野さんと櫻井さんの
話題なんてどうでしょうか?」

思った通り、エピソードが浮かばない
俺たちにADさんが助け舟を出してくれた。


「「えっ?」」

ADさんの提案に反応がシンクロした2人。


俺は嬉しくて、
翔ちゃんとアイコンタクトを交わした。

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