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まだ見ぬ世界へ

第16章 決戦は山の日

「山の日って嵐さんのファンの中で、
大野さんと櫻井さんの日だって
めちゃくちゃ盛り上がってますよ?」

「そうなんですか?」

知ってるけど、知らないふりをした。


そしてこの情報を教えたのは翔ちゃん。


山の日に俺達の事で盛り上がっていると、
あの2人に知ってもらわないとね。


「山夫婦とか呼ばれたりしてますよ」

ニコニコ笑って言葉の爆弾を投下していく。

「うひゃひゃ、夫婦って……
本当はニノとお、いてっ!」

誰かに抓られたみたいで、
涙目で手の甲を擦っている。


これは予想外だったけど、
ナイスアシストみせた相葉ちゃん。


「今日は大野さんと櫻井さんペアも
多めに組ませていただいてますので……」

ADさんの言葉に進行表を
あくまでも冷静に確認する2人。

「オープニングトークにも
お2人のエピソードを絡めると
ファンの方も喜ぶと思いますよ?」

満面の笑みで俺たちを見つめるADさん。

「わかりました。その流れで行きますね」

いつも通り、
進行の翔ちゃんの返事で決まった。


だって、他にアイデアは出てないもんね?


ってか、出せる余裕がないのかも?


「では、本番よろしくお願いいたします」

ペコリと頭を下げて、
ADさんは楽屋を出ていった。


「俺、トイレ行ってくる」

「あっ、俺も!」

楽屋を出ようとしたら、
慌てる翔ちゃんが俺の後に続いた。


ガチャン…


「翔ちゃん、バレるって……」

廊下を歩き、後ろ手に楽屋のドアが
閉まる音が聞こえると同時に溜め息を漏らす。

「だってさ、上手く行き過ぎじゃね?」


テンションあげあげ状態な上、
頬が緩み過ぎて男前が台無しよ?


「油断は禁物だよ?
これからが本番なんだから……」

一応、釘を刺しておく。

「わかってるって!」


翔ちゃんは気合が入ると、
変なミラクルを起こすから心配なんだよ。


「さて、頑張りますか」

久しぶりに収録に
気合を入れるような気がした。

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