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友達のままがいい

第5章 (過去)社会人

次の日、則ちゃんと待ち合わせをしたお店に足を運んだ。
予約をしていたおかげで窓際の一番良い席が取れて、1月というのにぽかぽか陽気で、そんな中則ちゃんを待っているとスーツを着た則ちゃんが入ってきた。
そのスーツ姿にドキッと心が躍った。

「則ちゃんがスーツなんて不思議だね」

そう言って笑うと、仕事から直接きたから着替えをもってきていないと教えてくれた。
せっかくの成人式だったのに、則ちゃんは仕事で式にもクラス会にも参加できなかった。
それでもみんなに会いたいと仲間内の飲み会には顔を出してくれた。
何年たっても仲間は仲間で、会えない時間も繋がっていると思わせてくれた。

「昨日はあれから大丈夫だった?」

「あれから??完全に酔っ払ったいあつらをの介抱役に回ったよ。それでも楽しかったよ。ひさしぶりにみんなに会えたしさっ」

「そっか。そうだよね。私もね、みんなに会えてうれしかったんだ。こうやって則ちゃんとも話せてよかったと思ってるよ」

そう口にすると、則ちゃんは柔らかい表情で笑ってくれた。

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