テキストサイズ

友達のままがいい

第5章 (過去)社会人

とりあえずビールと軽いつまみを頼んで運ばれてくるのを待った。

「急に元気がなくなったけど…何か悩み事でもある?」

則ちゃんの事で考え込んでしまった私に気が付いた慶介が大丈夫かと心配してくれる。
些細な事でも気が付いてくれるのは今でも健在らしい。
だけど、則ちゃんの事で慶介に相談するわけにいかなかった。
慶介と別れた原因が則ちゃんだけに…

「何も…ないよ。慶介は素敵な人と巡り合えて幸せそうだなって思っただけ。私が言える立場じゃないけど、慶介が幸せそうでホッとしてる。」

「だからそれは文香が気に悩む事じゃないよ。恋人が別れることは珍しい事じゃない。別れがあるから出会いもある。もしあのままダラダラと文香と付き合ってたら今の彼女とはつきあってなかったかもしれない。そう思うとちょうどよかったんだよ。だから気にしないで…今は幸せなんだからさっ」

本当に幸せそうに微笑む姿に分かったとだけ伝えた。
今が幸せなら私が何かを言う必要はない。
逆に私といて大丈夫なのかと心配になった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ