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友達のままがいい

第5章 (過去)社会人


「大丈夫だよ。僕がベタ惚れなの知ってるから。帰ったらちゃんと報告するからね」

「報告するの?」

「するよ。隠し事はしたくないからね。彼女にはいつでも誠実であり続けたいんだ」

それは慶介らしいと思った。
慶介の人に対しての向き合い方は変わってはいない。
何もかもが高校生のままで、そしてあの時より大人になったと感じた。

「ビールも来た事だし乾杯しようか。そうだなぁ~~久しぶりの文香との再会に乾杯かな?」

そう言って持ち上げたジョッキに自分のジョッキを当てて再会に乾杯をした。
いつものように一気に飲み干すと、目の前で目を丸くして驚いている慶介の顔があった。
その表情に慣れっこの私は今更驚かない。

「昔の私を知っている人ってみんな驚くのよね。嫌になっちゃう」

舌をペロリとして笑うと、慶介は一口しか減っていないジョッキをテーブルの上に置き、慶介は静かに告げる。

「それは…篠宮も入ってるの?」

「えっ?」

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