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友達のままがいい

第4章 (過去)高校生

それから中里くんとは一緒にいる時間が増え、いつしか笑っている自分に気が付いた時、私は中里くん…慶介とつきあうことに決めた。
あれほどまでに楽しくなかった毎日が楽しくて、慶介の笑顔を見ると私も自然と笑顔になれる。
人というのはおかしなもので、それまで則ちゃんを見るのさえ辛かったのに、慶介と付き合いだすようになりその辛さは消えた。
廊下ですれ違ってもお互いに手を挙げて軽く挨拶ができるまでになっていた。
でも、さすがに手を繋いでイチャついてる姿にはズキンと心が痛むけど、それだけだった。
それは慶介が傍にいて私を好きでいてくれているから。
優しくて、私のことを一番に考えてくれる慶介に夢中になっていた。
そして、慶介と初めてキスをした。
それは帰りの途中にある丘の上の公園で、この先で別れる私たちは毎日夕暮れまでここでおしゃべりをして、どちらからともなく見つめあいキスをした。
少し照れくさくて、はずかしくて、彼は私を抱きしめて肩に顔をうずめる。

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