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友達のままがいい

第4章 (過去)高校生


「超はずかし~…」

慶介も初めてのキスだったらしく、心臓がバクバクだったと後日教えてくれた。
それから毎日のようにキスをした。
触れるだけのキス…初めて舌を入れられたときは驚いて慶介の身体を押し離してしまったけど、今ではお互いに舌を絡めて時間が許す限りキスを繰り返す。
だけど、慶介がその先に進むことはしない。
あの時、則ちゃんと元カノの情事を見てしまったような事を慶介がすることはなかった。
どうしてなのかと考えてみるけど分からず、先に進むのが怖いと思っている私はどこがホッとしていた。
別に慶介が嫌なわけじゃない。
ただ、高校生がそんなことをしていいのかと…そういうことに疎い私は思っていた。
慶介とつきあって半年を過ぎた頃に則ちゃんが彼女と別れたと噂で私の耳に入ってきた。
強がって笑っている彼を見て気にならないはずがない。
声をかけて昔みたいに話したいと思う。
だけど昔の私の気持ちを知っている慶介は、私が則ちゃんの話をするのも嫌がるし、近づくのさえ良い顔をしない。
だから私も彼に近づかないようにしていた。

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