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友達のままがいい

第4章 (過去)高校生

校舎が違う慶介は放課後毎日私を迎えにきてくれるから、それを待つのが日課となっていた。
友達と待つ時もあるし、一人待つ時もある。
今日は友達が先に帰り一人本を読んで慶介が来るのを待っていた。

「まだ帰らないの?」

そう私に声をかけてきたのは則ちゃんだった。
いつぶりの会話だろうか…

「うん。彼氏待ち…。則ちゃんは?」

「別に…それより、お前彼氏いたのな?」

私の前の席に座り対面で話しかけてくる。

「今さら??もう、つきあって半年になるよ。…誰かさんは自分のことに夢中だったからねぇ~私のことなんて忘れてたくせに」

意地悪にいうと、則ちゃんは頭を掻きながら申し訳なさそうに笑う。

「んっ…ごめん。俺…好きになったら他の事目に入らなくなるタイプらしい…」

「別にいいよ。私も彼氏できたしね」

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