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友達のままがいい

第4章 (過去)高校生

自分の気持ちに気が付きながらも、一人でいられない私はそのまま慶介とのつきあいを続けた。
キスをしても抱きしめられても今までのように彼を愛おしいと思えなくなった。
キスをして思い出すのは則ちゃんの事。
抱きしめられて思い出すのは則ちゃんのぬくもり。
手が届かないと分かれば分かるほど思いは強くなり、この気持ちをどうしたらいいのか分からずイライラだけが募っていった。
そんな事ばかりを考えていて、上手くいくはずもなく、私と慶介の歯車が少しずつ狂いだしていく。

「文香…最近元気ないけどどうかした?」

「そう?気のせいじゃない?私はいつもと変わらないよ?」

「文香?何か悩んでいることがあれば話してよ」

「悩みなんてないよ」

「文香…」

「だから何でもないってばっ!!ほっといて!!」

そんな会話が続き、些細なことで喧嘩をする。
私のイライラが原因だと分かっていても、自分の気持ちをコントロールできずに慶介に当たってしまう。

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