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友達のままがいい

第4章 (過去)高校生

考えてもどうにもならないと思い帰ることにした。
グランドを横目に歩いていると、校門の傍で下級生たちに囲まれている則ちゃんがいた。
楽しそうに話す則ちゃんは、私に気が付いてくれない。
最後まで則ちゃんの視界に入ることはなかった。
もう、あきらめてることなのに辛く、笑っている則ちゃんを見るのもつらくて速足でその横を通り過ぎていた。
最後にちらっと則ちゃんの方を見ると、かわいらしい下級生に話しかけている姿が目に入った。
くったくなく笑う笑顔…
その笑顔を私に向けて欲しくて…だけどそれは無理な願い。
あの時に、嫌いと言ってしまったばかりにすべてを失った。
後悔ばかりの3年間。
あの時ああしていれば、あの時こうしていればと…そんなことばかりを考える。
考えても戻ることのない高校生活は後悔ばかりだった…
そんなことばかり考えているとどんどん気持ちが沈んで、じわりと涙があふれてくる。

「…もう、あきらめるしかないの―――――」

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