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友達のままがいい

第5章 (過去)社会人


「部屋はもっと夜景を楽しめるよ。楽しみにしてて」

耳元でささやかれながらカプリと耳たぶを甘噛みされると、それだけで快楽が抜けていく。
もっとしてほしいと顔を上げると、康臣さんの唇が重なった。
触れるだけのキスでは物足りなくて唇を開くと、そこから康臣さんの舌がねじ込まれ私の舌を絡めとる。
ガラス窓に身体を押し付けられながらとろけるような激しいキスを繰り替えす。

「康臣っ…さん…」

「んっ…続きは部屋で…」

唇が離れて寂しさを感じて名前を呼べば康臣さんは首筋に舌を這わせ、エレベーターが止まるまで私の身体を舌で這わせ続けていた。
手を引かれるように部屋にいけば、窓一面に広がる夜景に言葉を失った。
世の中にはこんなにもきれいな風景があるのかと立ちすくむ。

「気にいってくれたようだね」

康臣さんは驚いている私を後ろから包み込み、同じ目線で同じ風景を見る。

「文香とつきあいだして…この風景を見てお祝いしたくて予約してたんだ…文香…改めて、二十歳のお誕生日おめでとう!」

面等向かって言われる言葉よりも、窓越しで伝えられる言葉の方がドキドキしてしまう。
抱きしめられている手に触れると、ギュっと私の身体を強く抱きしめられた。

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