俊光と菜子のホントの関係
第2章 『俺と菜子』
休憩がてら、近くにあったカフェに入った。
やれやれ、やっと終わった……。あー肩こった。
「今日はありがとね、付き合ってくれて。おかげでいい買い物が出来ちゃった!」
「それはそれは何よりで」
ニコニコしてパフェ食って……上機嫌じゃん。
そりゃそうか。好きな男へのプレゼントが買えたんだから……。
そう決めつけると、何となく行き場がなくなった感じがして、ブラックコーヒーをゆっくりと口に含んだ。
「じゃあ……はい! 俊光君、プレゼントー!」
「…………は?」
プレゼントーっていきなり差し出してきたから、つい受け取ってしまったけど……これの中身って、さっきメンズショップで買った長Tだよな。何でこれを俺にくれようとするんだ?
「あははっ! やだぁ、まだ思い出せてないしー。ホントに忘れてるんだねー」
「え? え?」
菜子、なぜか爆笑。
忘れてる? 全然意味がわからない。
「オッホン。今日は、10月5日ですよ? と、来れば……誰の誕生日ですかぁ?」
「…………あ」
そうだった。すっかり忘れてた。
今日は――俺の誕生日だった……。