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俊光と菜子のホントの関係

第8章 『かけがえのない兄妹』




 ――学校が終わったあと、セーラー服のまま明里んちに寄った。

 明里の部屋にて、前みたいにビニールシートの上で、私の髪を丁寧にカットしてくれたのは、

 アゴまでのフワフワボブの明里……じゃなくて、


「はーい、菜子ちゃん出来たよー」


 アゴより上のフワフワショートボブの、明里の双子の弟・晃(ひかる)君。

 カットが終わって周りをキレイに片付けたあと、私は自分の前で鏡を持って、晃君は私の後ろで三面になっている鏡を広げて、髪の出来具合を鏡越しで見せてくれた。


「わぁー、やっぱり上手ー! ありがとう、晃君!」

「いえいえ、どういたしましてー。菜子ちゃんのためなら、いくらでも。それにオレも練習になるし」


 と、晃君が快く言ってくれた。

 今日までそのまま伸ばしてたけど、切ってもらったら毛先がすごく軽くなったー。やっぱ整えるって大事だね!

 髪の長さも、やっと顔よりも下になったし。それでも、理想のセミロングにはまだまだだなぁ……。

 

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