俊光と菜子のホントの関係
第8章 『かけがえのない兄妹』
「……何だよ。ホントのこと言われて、何も言い返せねぇのかよー」
ムカつくぅ。三人がギャハハってバカ笑いしてくる。
「っ……違うもんっ……」
「あぁ?」
「私とお兄ちゃんは……兄妹だもーんっ!」
バッチーン!
「ってぇ!」
ふん。三人の中で一番エラそうにしてるバカに、ビンタしてやったもんねーだっ。
「やったなぁ……このやろうっ!」
バチーン!
「いったーい!」
ビンタやり返してきたぁ!
「何すんのよぉ! あんた達が悪いんでしょう!?」
「うるせー! 兄妹じゃねぇクセによー!」
「違うもん! 兄妹だもんっ!」
つかんできたっ。他のバカ二人も、私をどついてくる。
負けないっ……。コイツらなんかには絶対負けない!
「――コラッ! お前達、やめろっ!」
「あっ…………お兄ちゃんっ!」
兄妹のことでケンカしてたら、お兄ちゃんが来てくれた。
お兄ちゃんはランドセルを背負ったまま中に入ってきて、私とバカ三人組のケンカをすぐにとめた。