俊光と菜子のホントの関係
第9章 『勝手にジェラシってる』
「イチャつき過ぎなのは、俊光君の方じゃんっ」
「はぁ? 俺? 誰とだよ」
出たー、天然鈍感男っ!
「さっきまで一緒だったあの人と、電車の中にも関わらず寄り添い合っちゃったりしてさぁー」
「なっ……! そんなことしてねぇよっ!」
「してましたぁーっ。あの人が俊光君の胸に飛び込んだら、俊光君それを受け入れてたじゃんっ」
「あっ……アホっ! あれは電車が揺れてあのコがよろけたから、倒れないように支えただけだっ!」
うわー、よくある言い訳。
「ふーん。どうだかねぇー。そのワリには、嬉しそうに見えましたけどぉ?」
私は頑として譲らず、最後にはふんぞり返ってやった。ふんっ。
「っ、お前なぁー……」
「な、何よぉ」
「いい加減にしろって。勘違いしすぎ。
今のお前……ちょっと『うっとうしい』ぞ」
「なっ……!」
ウットウシイ……ウットウシイ……。
その言葉が岩石になって、頭の上に『がーーーーん』と思いっきり落ちてきた。痛い。
う……うわぁーん、とうとう言われちゃったよぉー! いつか言われるんじゃないかとは思ってたけどっ……。
いざ言われると、大ショックだよぉー!