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俊光と菜子のホントの関係

第10章 『抑えきれなくて』



 *


 セーラー服から、白のセーターとデニムの短パンに着替えた私は、今キッチンにて、


「ふんふんふーん、ふふふふふーん」


 と、定番の鼻歌を歌いながら、サラダを作っているんだー。


 茹でたブロッコリーとムキエビ、あと細かく切ったゆで卵をボールに入れて、マヨネーズで和(あ)える。最後に塩コショウで味付けをすれば……


「完せーい!」


 名付けて――エビとブロッコリーと卵のマヨサラダ!

 …………うん。そのまんまだね。えへ。


 あんまり凝った物は作れないけど、これなら私にも簡単に出来るもんね。

 出来たのから、ブロッコリーを一つ取って味見してみる。

 ……うん、マヨ感ちょうどいいー。これならカレーにも合いそう!

 俊光君、『美味しい』って言ってくれるかなぁー。

 その俊光君はというと、今は自分の部屋で勉強中。

 テストも何もないのに自ら勉強って……さすが俊光君。私には絶対無理っ。『勉強』というフレーズを聞いただけで『うげーっ』だもんっ。

 ホント……私と俊光君って、世間でよく言う――

『同じ兄妹でも、見た目も性格も頭の出来も、こうも違うのねー』

 まさにそれ。その見本と言ってもいいぐらいだよ。


 こんなに違うから、俊光君に魅力を感じて惹かれちゃったんだろうね、きっと。……えへへー。やっぱ俊光君のことを考えると、気分が上がっちゃうなぁー。

 よーしっ。電車でジェラシってイライラムカムカした分を取り戻すように、俊光君と二人でとことん楽しく過ごそーっと!


 これからの時間にウキウキしつつ、私はまた鼻歌を歌いながら夜ご飯の準備を続けた。


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