俊光と菜子のホントの関係
第10章 『抑えきれなくて』
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セーラー服から、白のセーターとデニムの短パンに着替えた私は、今キッチンにて、
「ふんふんふーん、ふふふふふーん」
と、定番の鼻歌を歌いながら、サラダを作っているんだー。
茹でたブロッコリーとムキエビ、あと細かく切ったゆで卵をボールに入れて、マヨネーズで和(あ)える。最後に塩コショウで味付けをすれば……
「完せーい!」
名付けて――エビとブロッコリーと卵のマヨサラダ!
…………うん。そのまんまだね。えへ。
あんまり凝った物は作れないけど、これなら私にも簡単に出来るもんね。
出来たのから、ブロッコリーを一つ取って味見してみる。
……うん、マヨ感ちょうどいいー。これならカレーにも合いそう!
俊光君、『美味しい』って言ってくれるかなぁー。
その俊光君はというと、今は自分の部屋で勉強中。
テストも何もないのに自ら勉強って……さすが俊光君。私には絶対無理っ。『勉強』というフレーズを聞いただけで『うげーっ』だもんっ。
ホント……私と俊光君って、世間でよく言う――
『同じ兄妹でも、見た目も性格も頭の出来も、こうも違うのねー』
まさにそれ。その見本と言ってもいいぐらいだよ。
こんなに違うから、俊光君に魅力を感じて惹かれちゃったんだろうね、きっと。……えへへー。やっぱ俊光君のことを考えると、気分が上がっちゃうなぁー。
よーしっ。電車でジェラシってイライラムカムカした分を取り戻すように、俊光君と二人でとことん楽しく過ごそーっと!
これからの時間にウキウキしつつ、私はまた鼻歌を歌いながら夜ご飯の準備を続けた。