
俊光と菜子のホントの関係
第11章 『一旦距離を置きたい』
「菜子ぉ、夏休み前の性教育でもそういう説明とかあったじゃーん」
「あー……アレ? 私、途中で眠っちゃったんだよねー。保健の先生が淡々と語りかけるから、ついつい瞼が重くなっちゃって。えへへ」
私、性のことについての知識は『薄っ』なんだよね。中学の保健の授業でも習ったりしたけど、細かいところはチンプンカンプンで……。だから、その時のテストはゼロに近い点数を取ったんだっけ。
「もーう、しょうがないなぁー。
そしたらさぁ、アタシがいいもの見せてあげるよー」
「えっ、いいもの?」
「そうー。他の二人も誘ってさぁ、うちにおいでよぉー」
「エリナ、いいものって何よ?」
って明里が訊いても、エリナは「んふふー。それは来てからのお楽しみー」と濁すだけで、ハッキリとは教えてくれなかった。
い……一体、何を見せられるんだろう……。
このキレイな含み笑いが怖く思えちゃうのは、気のせい?
