俊光と菜子のホントの関係
第14章 『俊光君への兄(本命)チョコ』
私のごめんなさいを聞いた、スポーツしてます男子は、
(そっかぁ。……うん、わかった。残念だけど、聞いてくれただけでもスッキリ出来たかも。ありがとう)
と笑みを浮かべて言ってくれたんだー。だけど内心、酷くガッカリしただろうね……。そう思うと、胸がチクチクと痛んじゃう。
自分の気持ちにウソをつききれなかったんだからしょうがないんだけど……。でも、せっかく真剣に告白をしてくれたのに……。もう二度と、誰かから告白されることなんてないかもなのに……。私ってば、いっちょまえに断ったりして。もったいないオバケとか出てきちゃったらどうしよ。あーあ、私のモテ期、これでオワタかも。
それもこれも、俊光君がカッコ良すぎるのがいけないんだよ。
せめて俊光君が――顔も体もだらしなくて、常にギトギトのベタベタに脂ぎってて、私に『ウザい』つって足蹴りをしてくるぐらい性格がめっちゃ最悪で、挙げ句にほじくった鼻をピッて飛ばしてくるぐらい、キモぉーいお兄ちゃんになってくれたら、すんなりと諦められるのに…………って、
うっげぇーっ!
やだぁっ、そんな俊光君なんてっ! 諦められないけど、俊光君は今のカッコいいままがいいよぉ!
俊光君がキモぉーくなった姿を想像しただけでゾーッとしちゃう。コートとマフラーをしっかり着ていても、さぶく感じて全身が震えたよ。
はぁ……俊光君にキモぉーくなってもらうんじゃなくて、やっぱり自分でちゃんと諦められるようにならなくちゃだね。