俊光と菜子のホントの関係
第17章 『重なる、兄妹のホントの想い』
「いっ……いってぇー……」
「あたたたっ、お尻打っちゃったよぉー……」
二人で痛みに悶えながら床から起き上がった。
お……驚いたってもんじゃねぇぞ、今のはっ……。
あれだけ膨らんでいた甘い気分が、突然の『ドンドンドンッ』と『ガラーッ』と『ドターン』で見事に萎(しぼ)んだ。
今の、絶対に佐原先輩じゃないだろ。一体誰が来て――
「……なぁこぉ、見ぃーつけたぁー」
「ひぃっ……! あっ……明里ぃっ!」
「はぁっ!?」
菜子から出た名前を聞いて出入り口の方を振り返ると、そこには――
笑顔なのに何か怖いオーラを感じる菜子の親友と、
「……よぉー俊光。来ちゃった」
「智樹っ……!?」
ノーテンキに顔をヒョコっと軽く出す俺の親友が、なぜかいた。
―次話へ続く―