俊光と菜子のホントの関係
第20章 『大好きだから……』
恋人気分に浸るのは……この家の子供でいられている幸せやありがたみを、俊光君と一緒に噛み締めてからにしよう。
お父さん、お母さん……。もう兄妹の事実を知っちゃったことと、俊光君と恋人同士にもなったことを、しばらく隠しておくことにしてごめんなさい。
でもね、お父さんとお母さんの前では、ちゃんと兄妹でいられるから。だから、俊光君と二人きりの時だけは……恋人でもいさせてね。
「……んふふー」
「なんだよ、急にニタニタして」
「別にぃ、なんでもなーい。ね、早く行こっ」
「わかったから、そんな引っ張るなって」
―次話へ続く―