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俊光と菜子のホントの関係

第3章 番外編『オレと俊光』


「……あのさ、とし――」

「智樹っ、話があるんだけど」


 あ、先越された。

 えーと……まぁ、いいか。俊光の話から聞いてやるか。何やら神妙な面持ちだし。


「おう、なんだ?」

「俺…………昨日からさ……」

「うん」

「菜子が……好きなんだ」


 思わずズルこけた。

 なんだそりゃ。またいつもの天然か?


「あのさ。それ、昨日からじゃなくてずっと前からじゃん。血が繋がってなくても可愛い妹だから……だろ?
 なーんだ、改めて言うことじゃ――」

「そういう意味じゃなくてっ」

「え?」


 俊光……顔が赤い?

 え、え、お前……それってまさかっ――




「菜子に……惚れたってことだよっ」




「……はぁ!? 菜子ちゃんに惚れただぁー!? なんだそりゃー!」




 お前なぁっ……そんなぶっとんだ話を投げてくんなよー! オレの話をする気が一気に失せたし!

 まったくー……。

 ま、天然だからしょうがねぇか。


 オレの話は、またいつかするとしよう。


 どうせ俊光とは――

 ずーっと親友でいるし。


 だろ? 俊光。


 さてと……爆弾発言された仕返しに、恋する俊光君をいじってやろーっと。


 ――オレは、前に俊光から菜子ちゃんのことで諭された事を、イヤミっぽく持ち出すことにした。




 ―終わり―




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