俊光と菜子のホントの関係
第3章 番外編『オレと俊光』
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あれから一年以上経ったのか……感慨深いな。
高校の昼休み。オレは俊光と屋上で飯を食っていた。
オレはもう食い終わったけど、俊光は玉子サンドをあと二・三口というところだ。
今日までオレは、俊光の本当の姿に触れてきた。
あの時、泣いてる子供をあやすのがうまかったのは――
三つ下の妹・菜子ちゃんがいるからだった。
愛らしくて無邪気で、それでいてボインで……ってボインは関係ないけど。そんな菜子ちゃんをいつも可愛がってきたから慣れていただけで、口説き上手じゃないことがわかった。
やっぱり俊光は、悪いヤツじゃなかった。
オレのことをも信頼してくれていて、菜子ちゃんと親父さんとは血が繋がってないってことも話してくれた。
オレだって、俊光を信頼してる。
だから……話してみようか?
――過去の……アイツとの『あの事』を。
きっと、オレを受け入れながら聞いてくれる。
この俊光なら……。