俊光と菜子のホントの関係
第24章 エピローグ『感謝』
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いろいろあったバレンタインデーから数日が経った、日曜日の朝。
私は玄関先で、これから遠出をするお父さんとお母さんを、お見送りするところなんだー。
「じゃあ、菜子。行ってくるわね」
「遅くても、夜の九時までには帰ってくるからな」
「はーい。お父さんお母さん、いってらっしゃーい」
お父さんとお母さんは、今日のお天気みたいに、晴れ晴れとした笑顔で手を振りながら玄関をあとにした。
毎月恒例の、夫婦水入らずの小旅行。二人で休みと都合を合わせて、一泊か二泊するんだよね。例え一日しか合わなくても、今日みたいに日帰り旅行にしたりして。月に一回は、そうやって必ず二人きりでお出かけをする。
お父さんとお母さんみたいに、いつまでも仲良しな夫婦って、ちょっと憧れちゃうなぁ。
二人に対して、ホワホワとした柔らかな気持ちでいると、
「……菜子。おはよ」
「あっ、俊光君っ。おはよー」
私服に着替えた俊光君が、気だるそうにして二階から降りてきた。大学はお休みだけど、バイトしてる図書館が『蔵書点検』とやらで、朝から夜までみっちりあるんだっけ。
にしても……普段はカッコいいのに、朝に弱くてボーッとしちゃう俊光君が、どうしても可愛い。昔から見ているのに、全然あきないよー。むしろ、両想いになってから、ますます愛おしくなっちゃってる。
今度は俊光君を見て、ポワポワと浮いた気持ちになった。
あーあ。もし、今日アルバイトがお休みだったなら……この俊光君と、オーマイガーのやり直しが出来たかもなのに。
俊光君、気が変わってサボリ魔になってくんないかなぁ……なんてことを考えちゃう私って、悪いコだよね。えへへー。