俊光と菜子のホントの関係
第4章 『私と俊光君』
――中学二年生。
「……というわけで、私は次の日から『俊光君』って呼ぶようになったってワケ」
私は学校が終わったあと、黒いボレロの制服を着たまま、友達の明里(あかり)の家に遊びに来ている。
その明里の部屋で今、
『何で私がお兄ちゃんを名前で呼ぶようになったのか』
を、説明をしていたところなんだー。
「へぇー、なるほどねぇー。要は、妹のジェラシーから始まったワケだ」
「そう……とも言うね。えへっ」
「菜子の兄ラブの強さには、ホント脱帽もんだわー。
まぁ……あの俊光さんなら、妹が夢中になってジェラシるのも無理ないかもねー。性格いいし、結構イケメンだし」
「でっしょお?」
えへへー。明里から見ても、俊光君ってカッコいいんだー。なんか、うれしー。
明里とは、二年生で初めて同じクラスになったコ。砂糖菓子みたいな甘い顔も、アゴまでのフワフワボブも、私から見ても守ってあげたくなるぐらい華奢な体つきも、何もかもが女のコらしくて可愛い。
友達になってまだ半年なのに、何年も友達やってるみたいにすごく気が合ったりして、とっても仲良しなの。
今じゃ一番の友達だったりするんだー。