俊光と菜子のホントの関係
第28章 特別編『菜子の誕生日お祝いデート(後編)』
――海の幸たっぷりの豪華なお夕飯に感動しながらお腹を満たして、しぶとく浴衣を嫌がる俊光君に無理矢理押し付けた次は、
「はぁー……極楽極楽だよぉー」
大浴場の温泉に入って、遊び疲れた体をポカポカと癒す。
広々とした檜の浴槽で一緒に浸かっている、よそのお姉さんも、お母さん娘ちゃん親子も、おばちゃん・おばあちゃんも、みんなとっても気持ち良さそう。あとでお外の露天風呂にも入ってみよーっと。
温泉を、腕にかけながら撫でてみる。
スゴい。若女将さんが説明していたとおり。温泉のお湯が、化粧水みたいにトロトロしてるー。体を癒すだけじゃなくて、お肌までうるうると潤っちゃうなんて。温泉様々だよぉー。
俊光君のお肌も、きっとうるうるだろうね。したら、腕とか頬っぺたとか、触り合いっこしたいなぁー、なんて。えへへー。
デレデレしながら俊光君のことを思うついでに、部屋でのキスも思い出す。
あのキス、すっごくドキドキしちゃった。
最初は触れるだけのキスが、次にはベロベロチューになって……あのまま俊光君に食べられちゃうかと思った。
「…………はっ!」
どうしよ。私、今気づいちゃったよ。
今日は、二人きりで旅館にお泊まり。
夜中に騒いだら鬼化しちゃうお母さんもいない。家じゃないから、※禁止令もカンケーない。(※518ページを参照)
てことはだよ?
これって今夜……俊光君とオーマイガーのやり直しが出来ちゃうってヤツじゃん!