
俊光と菜子のホントの関係
第4章 『私と俊光君』
「けどさぁー……私とお母さんって、性格は似てるかもだけど、胸は似てないよね?」
「ごほっ!」
あ。今度はお母さんがむせた。
「菜子っ! だからハッキリ言い過ぎだってばっ……ごほっごほっ……」
「さっきからそういうけど、これはお父さんとお母さんの教育方針でもあるんだよー?
『隠し事は誰しもあることだから仕方ないけど、嘘だけはつかないで正直にハッキリと言うこと。じゃないと、後から自分が苦しくなるから。どうしてもって時は、必要最低限の嘘にしておきなさい』って」
「だったら今は、必要最低限の嘘をつきなさいよっ。特に菜子は、ハッキリと言い過ぎなんだからっ」
「えー無理だよぉー。必要最低限の嘘がつきようがないぐらい、お母さん胸ないもん」
「っ! なぁーこぉー……」
私の発言に対して怒り心頭のお母さんの、隣にいるお父さん……密かに笑いを堪えてる。
「あははっ、確かに。菜子の言うとおりだな」
俊光君は、あからさまに笑ってるし。
「俊光っ、あんた笑いすぎっ! だいたいねぇ、あんたが化け物みたいに母乳をバカスカ吸ったから、Bあった胸がA以下に萎(しぼ)んだのよ!」
お母さん。スプーンを振りながら、自分の前にいる俊光君に向かって、昔のことを訴えてるー。
「いや、俺のせいじゃないだろ。ホントは、元々なかったんじゃねぇの? なぁ、父さん?」
「えっ……? いやぁ、まぁー……ぷぷっ」
「勝治さんっ!」
あははっ! 三人ともおっかしー!
