
でも、愛してる
第4章 4
清の「セックス論」を聞いたとき、面白いと思った。
人類が、子どもを産むためのものであったセックスから、楽しむためのセックスを発見してからずっと、セックスは、女性が気持ちよくなるためのものだった、と言うのだ。
その証拠に、女性には、快感を得るためだけに存在する、クリトリスがあると言う。
それなのに、いま多くの人がしているセックスは、男性が射精するのが目的となっているみたいで、間違っていると言うのだ。
だけどそれは、階級がうまれ男性優位の社会になってからの、たかだか数千年くらいのもので、人類の二十万年という歴史からみたら、ほんとに短いので、いずれ、セックスは、女性が気持ちよくなるためのものに帰っていく、と言うのだ。
そして、セックスは、したいと思ったときにすればいいのであって、いろいろな理由をつけて、我慢してしまういまのセックス観は、間違っていると言うのだ。
「食欲と睡眠欲と性欲を、三大欲望というでしょう。
食べるのを、我慢するのはつらいし、食べないわけにはいきません。
食べないと死にます。
眠るのも、我慢できません。
眠れないとき、薬を飲んででも眠ろうとします。
セックスも、我慢するのはつらいものです。
セックスを、我慢しつづけると、鬱病になるといわれています。
セックスは、我慢しては駄目なんです」
はじめて聞く「理論」だけど、納得はできた。
でも、そのあと、清が、
「というわけで、
手嶋さん、
私とセックスをしませんか?」
と言ったときには、ほんとにびっくりした。
人類が、子どもを産むためのものであったセックスから、楽しむためのセックスを発見してからずっと、セックスは、女性が気持ちよくなるためのものだった、と言うのだ。
その証拠に、女性には、快感を得るためだけに存在する、クリトリスがあると言う。
それなのに、いま多くの人がしているセックスは、男性が射精するのが目的となっているみたいで、間違っていると言うのだ。
だけどそれは、階級がうまれ男性優位の社会になってからの、たかだか数千年くらいのもので、人類の二十万年という歴史からみたら、ほんとに短いので、いずれ、セックスは、女性が気持ちよくなるためのものに帰っていく、と言うのだ。
そして、セックスは、したいと思ったときにすればいいのであって、いろいろな理由をつけて、我慢してしまういまのセックス観は、間違っていると言うのだ。
「食欲と睡眠欲と性欲を、三大欲望というでしょう。
食べるのを、我慢するのはつらいし、食べないわけにはいきません。
食べないと死にます。
眠るのも、我慢できません。
眠れないとき、薬を飲んででも眠ろうとします。
セックスも、我慢するのはつらいものです。
セックスを、我慢しつづけると、鬱病になるといわれています。
セックスは、我慢しては駄目なんです」
はじめて聞く「理論」だけど、納得はできた。
でも、そのあと、清が、
「というわけで、
手嶋さん、
私とセックスをしませんか?」
と言ったときには、ほんとにびっくりした。
