テキストサイズ

愛が、はじまるとき

第1章 1

              13

 満が、わたしから離れて、優しく抱きしめてくれた。
 わたしも、満に抱きついて、ハァハァとはやくなっている息を、しずめようとした。
 「里美さん、
  セックスは、
  気持ちいいもんでしょう」
 「うん。
  びっくりした」
 「よかった」
 「先生、
  ありがとう」
 「私のせいじゃないよ。
  里美さんが、
  もともと、
  気持ちよくなれるからだを、
  持っていたんだよ」
 「わたし…」
 「なに?
 「わたし、
  いままで、
  なにをしていたんだろう」
 満が、あそこを、ティシュで拭いてくれる。
 あそこを、拭いてもらうなんて、初めてだった。
 優しく拭いてくれているのだが、からだが、ビクッビクッとなり、それが恥ずかしくて、満に抱きついた。
 「里美さんは、
  いっぱい濡れるんだね」
 「そう?」
 「ティシュが、
  ほら、こんなにびしょびしょだよ」
 「恥ずかしい」
 「いっぱい濡れるのは、
  知らなかったの?」
 「うん、
  拭いてもらったの、
  初めてだもの。
  恥ずかしい。
  きょうは、
  恥ずかしいことが、
  いっぱい」
 「でも、
  気持ちよかったでしょう」
 「うん。
  とっても」
 「だったら、
  私たちは、はじめることができたんだね」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ