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愛が、はじまるとき

第1章 1

              14

 「また、
  愛してくれるのね」
 「もちろん。
  里美さんが、
  嫌じゃなかったらね」
 「もう、いじわる。
  嫌じゃないのは、
  わかってるくせに」
 「ごめん」
 「はじめると言ってくれたんだから、
  これからは、
  いっぱい、
  愛してね」
 「やっと、
  自分の気持ちに、
  正直に、
  言えたね」
 「あっ、
  ほんとだ。
  すっと、
  言えたよ。
  なんか、
  嬉しい」
 それからは、満と、なんども、セックスした。
 そのたびに、わたしの気持ちよさは、高まっていく。
 そう、こわいくらいに。

 ここで、わたしが、満、と言っているのも、お互いに、
 「満」
 「里美」
 と、呼びあう仲になっているからだ。

 わたしは、満との、愛がはじまったんだなと、思っている。


                              終
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