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愛って、ほんとにいいものですね

第1章 愛って、ほんとにいいものですね

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 信号が変わったら、サッと、私の車道側に寄って、にこっと笑い
 「お嬢さん、
  あなたのご親戚に、
  女性の画家の方はいませんか?」
 とおっしゃるのです。
 「います。
  いえ、いました」
 「えっ、
  いましたとは…」
 「詳しくは、
  お店に入ってから…」
 「ああ、
  そうですね。
  お嬢さんは、
  大学生ですか?」
 「はい、
  大学2回生です。
  おじさま、
  わたし、
  めぐみと言います。
  お嬢さんは、ちょっと…」
 と、恥ずかしいとは言わなかったが、わかってくださったみたいでした。
 「えっ、
  めぐみさん。
  そう、
  めぐみさんですか」
 と、めぐみという名前に、すこしびっくりされました。
 運ばれててきた、紅茶とコーヒーをお飲みになる前に、名刺を渡してくださいました。

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