テキストサイズ

愛って、ほんとにいいものですね

第1章 愛って、ほんとにいいものですね

        4

 「私は、小野光といいます。
  私の知っている人も、めぐみさんというので、
  あなたの名前を聞いた時、
  驚いたんです。
  それに、あなたが、
  その人に、あまりにも、
  よく似ているので、
  びっくりしているんです。
  あぁ、すこししゃべりすぎですね」
 「はい。
  あっ、いえ」
 おじさまは、にこっと、お笑いになりました。
 「さっき、
  いました、と言いましたね。」
 「はい、
  わたしも、
  あまり詳しくは知らないのですが、
  海外に行ったまま、亡くなったそうです」
 「えっ、
  死んだ。
  そうですか。
  死んでいたんですか」
 「はい。
  わたしの、
  大おばにあたる人なのですが…」
 「死んだというのは、
  はっきりしているの?」
 「はい。
  父が、
  あっ、わたしの父が、
  遺骨を取りに行ったと、
  話したことがあります」
 「そうですか。」
 おじさまは、とても悲しそうに、しばらく、何もおっしゃいませんでした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ