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愛って、ほんとにいいものですね

第1章 愛って、ほんとにいいものですね

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 そして、次の日曜日に、おじさまの家に行くことになりました。
 おじさまは、塾を経営なさっていて、ご自宅は、その二階ということでした。
 「こんにちは」
 「はい。
  よく、来てくれましたね」
 「おじゃまします。
  わぁ、すごい本」
 「読みたい本があったら、
  どれでも、持ってかえっていいよ」
 「はい。
  あとで、みてみます」
 おじさまは、ほんとに、わたしが訪ねたことを喜んでくださいました。
 それからも、何度も、おじさまの家に、遊びにいきました。
 そして、わたしは、おじさまの、お人柄に惹かれていきました。
 いえ、好きになったのです。
 大おばさんと、わたしの名前が同じということは、たぶん、おじさまとわたしは、そうなる運命だったのでしょう。、
 「おじさまは、
  その恵さんと、
  なぜ、
  結婚されなかったんですか」 
 「私は、結婚しようと言ったんです。
  恵は、
  帰ってきてからにしてほしい。
  自由なからだで勉強したい、
  そう言って、パリに行ってしまいました。
  そして、
  その後、連絡が途絶えてしまって」
 「そうだったですか」

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